SARS情報 1

Q:SARSとはどのような病気ですか?
A:SARSとは、最近、アジア、北アメリカ、ヨーロッパで報告されている呼吸器疾患です。

Q:SARSの原因は何ですか?
A:CDCでも他の研究所でもSARS患者から新種のコロナウイルスが検出されています。

Q:コロナウイルスとはどのようなウイルスなのでしょうか?
A:コロナウイルスは顕微鏡で光輸や王冠のような光冠(コロナ)の形に見える一群のウイルスです。これらのウイルスは人の軽症から中等症の上気道感染症の一般的な原因ウイルスであり、動物では、呼吸器、胃腸、肝臓、神経の病気を起します。コロナウイルスは環境中で1日以上も生き延びます。

Q:SARSではどのような症状や徴侯がみられるのでしょうか?
A:SARSでは最初に38℃以上の発熱がみられるのがふつうです。発熱と一緒に、寒気や頭痛、気分が悪い、体が痛いなどの症状がみられることもあります。人によっては、最初に軽い呼吸器症状がみられることもあります。SARS患者は、発熱から2〜7日後に痰のない咳が出るようになり、血液に酸素を十分に取り込めない状態になるか、そのような状態まで進行することがあります。

Q:SARSに感染したら、何日くらいで発病するのでしょうか?
A:SARSの典型的な潜伏期間は2〜7日ですが、10日間の潜伏期間を示唆している報告もあります。この病気はふつう、38℃以上の発熱で始まります。

Q:SARS患者にはどのような治療法が勧められているのでしょうか?
A:CDCでは、SARS患者に原因不明の重症の非定型院外感染性肺炎患者と同じ治療を行なうように勧めています。SARS患者に対していくつかの治療法が行われていますが、現時点では、情報が不足しており、治療効果があったかどうかを決定することはできません。SARSの原因を既知の非定型肺炎の病原体と想定して抗生物質を使用しているという報告もあります。また、オセルタミビルやリバビリンなどの抗ウイルス薬も使用されています。リバビリンやその他の抗菌薬と組み合わせてステロイドを服用あるいは静脈注射している所もあります。5/5付けの朝日新聞によると、回復者からの血清をつかった血清療法が有効の様であります。

Q:SARSはどのようにして感染するのでしょうか?
A:SARSは主に飛沫感染によって広がるようです。つまり、咳やくしゃみで飛んだSARS患者の唾液を他の人が吸い込むことによって感染します。また、SARSは空気や汚染された物を介してもっと広範囲に広がる可能性もあります。

Q:ウイルスの飛沫感染と空気感染はどう違うのでしようか?
A:飛沫感染とは、ウイルスが咳やくしゃみによって呼吸器から空気中に放出される比較的大きな水滴によって広がることを言います。この水滴、つまり飛沫は大きいため、飛ぶ距離は通常1メートル以内です。飛沫感染は、他の人が飛沫を吸い込むことによって直接的に、あるいは、ドアの取っ手や受話器などについた飛沫を他の人が触ることによって間接的に起ります。ライノウイルスなど普通の風邪ウイルスは飛沫感染によって広がります。空気感染とは、ウイルスが呼気に含まれる非常に小さな粒子やチリによって広がることを言います。このような粒子やチリはたくさんの人に吸い込まれます。小さな粒子は空気中を漂い、大きな呼吸器飛沫よりも遠くまで飛んで行くことができます。空気感染によって広がるウイルスには、インフルエンザウイルスや麻疹ウイルスがあります。

Q:汚染された物に触っただけでSARSに感染するのでしょうか?
A:汚染された物に触ることでSARSに感染する可能性はありますが、そのような感染がどのくらいの頻度で起きるのか、あるいはまったく起きないのかは、現時点では不明です。新型のコロナウイルスがSARSの病原体であることを示唆している報告がありますが、コロナウイルスは環境中で1日以上も生き延びることが分かっています。汚染された物を触ることによる感染のリスクを減らすために、CDCは石鹸と水で十分に手を洗うことを勧めています。

Q:SARS患者が他人に病気を移す可能性のある期間はどのくらいでしょうか?
A:現在までの情報では、熱や咳などの症状がある時が最も人に病気を移しやすいことが示唆されています。しかし、症状が出る前、あるいは症状が消えた後、SARS患者がどのくらいの間他の人に病気を移す可能性があるかは分かっていません。

Q:現在、SARS患者は何人いるのでしようか?
5/4現在感染者6045人死亡者417人死亡率当初は5%といわれていたが、現在約14〜15%。

Q:万一・SARSの疑いのある者についてはどのように対応すればよいか?
A:現在の所、神戸市保健所予防衛生課(te1,232-7586)にご相談下さい。土・日・祝日も含めて9時から17時まで対応しています。